Languedoc-Roussillon

ラングドック地方には、ガール県、エロー県、オード県の3県が、ルーション地方にはピレネー・ゾリアンタル県があり、この4県で、スパークリング、クレマ ン、辛口白ワイン、ロゼワイン、ライトボディの赤ワイン、フルボディの赤ワイン、赤、白、ロゼのヴァン・ド・ペイ、そしてこの地域特有の天然甘口ワインな ど、多種多様なワインが生産されています。

 この地方で造られているワインを、大きく3つのグループに分けると以下のようになります。

 

LES VINS D’APPELLATION :

AOC(原産地呼称統制ワイン)ワイン

 それぞれの個性が豊かな、傾斜地で栽培された地中海品種のブドウから造られるワインです。この中には、ラングドック(地区名記載のあるものを含む)、 フォジェール、サン・シニアン、ミネルヴォワ、コルビエール、フィトゥ、コート・デュ・ルーション、コート・デュ・ルーション・ヴィラージュ(村名記載の あるものを含む)、コリユールなどのアペラシオンが含まれています。

 

LES VINS DE PAYS :

ヴァン・ド・ペイ(地ワイン)  

 ヴァン・ド・ペイは、1種類のブドウ品種から造られた、単一品種ワインが有名ですが、2種類以上のブドウから造ったブレンドワインもあります。シャルド ネ(白)やカベルネ・ソーヴィニョン(赤)など、この地方原産ではないブドウから造られるものが多く生産されています。また、ワイン売り場でよく見かける ヴァン・ド・ペイ・ドックは、ラングドック=ルーション地方で造られた地ワインです。

 

LES VINS DOUX NATURELS :

天然甘口ワイン

 生産方法からして他のワインとは一線を引く天然甘口ワイン。醗酵中に、中性アルコールを添加することでアルコール発酵を中断し、自然な糖を残すワインを 指します。中性アルコールを添加することを、フランス語の動詞『ミュテ(黙らせる)』の派生語である『ミュタージュ』と呼ぶのは、この手法をおこなうこと で、アルコール発酵中にタンクから響くワインのつぶやき音が中断するからです。ワインは、ミュタージュの後、独特のアロマや複雑味を得るべく、時間をかけ て、安定・熟成されます。AOCワインとして、ラングドック地方では、4地区(リュネル、ミルヴァル、フロンティニャン、サン・ジャン・ド・ミネルヴォ ワ)でミュスカ(マスカット種)の甘口ワインが造られており、ルーション地方では、ミュスカ・ド・リヴザルト、リヴザルト、モーリー、バニュリュス(グル ナッシュ・ノワールが主要品種のバニュリュス・グランクリュを含む)が醸造されています。

 

CÉPAGES ROUGES :

赤ワイン用ブドウ品種 

  AOCワイン用に、この地方で最も多く栽培されているのは、カリニャン、サンソー、グルナッシュ・ノワール、ムールヴェードル、シラーです。AOCカバル デス(カルカッソンヌの北)とAOCマルペール(カルカッソンヌの南西)生産地区では、これらの品種に加え、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョ ン、コ(コット)、メルローなど、いわゆるボルドー品種もブレンドすることができます。

 

CÉPAGES BLANCS :

白ワイン用ブドウ品種

ブールブーラン、クレレット、グルナッシュ・ブラン、マカブー、マルサンヌ、ピックプル、ルーサンヌ、テレ・ブラン、ヴェルマンティーノがAOCワインの 生産に使われています。また、ミュスカ種から造られるAOCの天然甘口ワインに関しては、ラングドック地方では、ミュスカ・ア・プティグラン(小粒ミュス カ)のみ醸造されていますが、ピレネー・ゾリアンタル県のリヴザルト生産地区では、ミュスカ・ア・プティグランとミュスカ・ダレクサンドリの2種類が使用 されています。また、AOCリムーでは、この地方のいわゆる伝統品種に加え、シャルドネやシュナン、モーザックも使用されています。

 

TYPES DE VINS : 味わい

赤ワインに関しては、エレガントなフォジェールや、複雑みのあるコルビエール、タニックなボディのサン・シニアン、独特なテロワールを反映したフィトゥな どがあります。白ワインに関しては、爽やかで芳香に満ちたコトー・デュ・ラングドック・ピックプル・ド・ピネやリムー、ヴァン・ド・ペイ・ドック、ブドウ 品種の個性が強いミュスカのワインが印象的です。また、モーリーやリヴザルト、バニュリュスは、天然甘口ワインの中でも、極めて濃厚で複雑みを帯びたワイ ンです。

 

Profil général des derniers millésimes :

近年のヴィンテージ情報

2007年 : 白ワインは、果実味豊かで、爽やかな、青臭さのないワインとなりました。適度にキレがあり、後味に甘みが感じられることが多いのが特徴です。赤ワインは、 ブドウがきれいに完熟したため、しなやかなタンニンを伴った、豊かな特徴が巧みに融合したワインとなりました。特に、ルーション地方のグルナッシュ・ノ ワールからは、実に素晴らしいワインが数多く造られています。

2008年 : 春は雨が多く、夏はどちらかというと涼しくて雨が少なかった年で、9月は好天に恵まれました。そのため、実が小さく、皮の厚い、よく熟しているけれど酸度 も高いブドウが収穫され、赤・白ワイン共に、爽やかで、芳香に満ちた、美しいワインとなりました。ただし、一部の地域ではベト病が流布し、被害を受けまし た。

2009年 : 猛暑で雨も少なかったため、不作だった年です。よく熟していて、凝縮感があり、豊満で、酸味が少なめの、出来の良い赤ワインもありますが、雨不足が続いた ため、ブドウの成熟が順調に進まず、青臭さがでているものもあります。白ワインは、アルコールが高く、柑橘類やトロピカルフルーツを思わせる香りに包まれ ています。

2010年 : ラングドック地方では、暑く乾燥した夏に恵まれ、完熟し、ぎゅっと凝縮したブドウが収穫できました。収量は2009年より低く、クオリティ的には、実に偉大なヴィンテージとなりそうです。

ルーション地方でも、収量が低かった年で、よく熟しているが酸味もあるブドウが収穫できました。凝縮感のある、芳香に満ちたワインとなるでしょう。

2011年 :  フランスの他の生産地方同様、気温が高く快晴続きの春が終わると、夏は8月末まで気温が上がらず生産者を心配させましたが、9月の快晴によって救われま した。他の地方より豊作で、糖と酸のバランスがよく、芳香に包まれたワインが産出できたため、2011年はフランス南部の当たり年と言ってもよいでしょ う。

2012年:寛大な日照、降雨量は平年より20%低かった、丈夫なブドウができたが、いくらかのクリュール( 結実が悪い花振るい現象 )やうどんこ病を作り出した。有望なミレジム、まだ若い、 酸味と糖分の良いバランス。

 

ラングドック・ルーション地方の原産地呼称統制(AOC)ワイン

 

Banyuls et Banyuls

Grand Cru AOC

バニュリュス&バニュリュス 

グランクリュ

Présentation 紹介

AOCバニュルスは、ルーション地方で、最も知名度の高い天然甘口ワインです。生産地区は、AOCコリユールと同じ地帯で、バニュルス・シュール・メー ル、コリユール、ポール・ヴァンドル、セルヴェールの4村が含まれています。畑は、段上の斜面に広がり、段畑の端は石壁で支えられています。痩せさらばえ た土壌は、古生代カンブリア紀の砂岩質です。バニュルスには、 AOCバニュルスと AOCバニュルス・グランクリュがあります。

 

Vinification 醸造方法 

 バニュルスは、ミュタージュという手法を施した天然甘口ワインです。ミュタージュとは、アルコール発酵中のブドウ汁に96度の中性アルコールを添加することで、アルコール発酵を中断するとともに、アロマと色素を最大限引き出す手法です。

凡そ5週間醸した後、熟成させますが、バニュルス・グランクリュについては、最低でも30ヶ月間以上の熟成が義務づけられています。グランクリュでないバ ニュルスは、ガラスの丸底容器や、湿気の多い涼しい場所に安置したバリークで熟成させることもあれば、酸化を促し、ランシオ香を出すために、敢えて外に放 置しておくこともあります。また、バニュルス・リマージュは、果実味を維持するために、早めにボトリングしたものです。

赤とロゼの主要品種は、グルナッシュ・ノワールで、通常のバニュルスの場合、少なくとも50%が、またグランクリュの場合には75%が、このブドウ品種であることが生産基準で定められています。

 

Types de vins  味わい

 AOCバニュルスは、赤、ロゼ、白がありますが、いずれもグルナッシュ種をベースにしています。バニュルス・赤は、若いうちは、マホガニー 色の光沢を浮かべたルビー色で、 熟成を経るとともに、銅色の光沢を浮かべる瓦色に変化します。ボディのしっかりした、しなやかで、力強い、タニックな味わいで、ドライフルーツや砂糖煮の 果実、ブランデー漬けのグリヨット(チェリーの一種)、バニラ、コーヒーなどを思わせる、濃厚な香りに包まれています。チョコレート系のデザートとの相性 は抜群です。

花や、柑橘類、蜂蜜のアロマに包まれた、グルナッシュ・ブランの個性を持つバニュルス・白は、麦わら色を帯びたエレガントな色合いで、新樽で熟成させた辛 口、半甘口、甘口があり、好奇心をそそるワインです。フォアグラやブルーチーズ、蜂蜜を使ったデザートとのマリアージュをお楽しみください。

 

Blanquette de Limoux A.O.C  AOCブランケット・ド・リムー

Présentation  紹介

    ブランケット・ド・リムーは、ラングドック・ルーション地方で最も古いアペラシオンの1つです。生産地区は、カルカッソンヌから南へ25キロ行ったところ にあり、オード県の41村に跨がっています。土壌は、小石の多い、軽い粘土石灰質土壌で、気候は、地中海と大西洋両方の影響を受けています。自生品種モー ザックを主要品種に、シャルドネとシュナン・ブランを加えて造る発泡性ワインです。

 

Vinification 醸造方法 

醸造方法の違いから、2種類のブランケット・ド・リムーが存在します。ブランケット・ド・リムー メトード・アンセストラルは、モーザック品種のみ使用 し、補酒をおこなわずに、アルコール発酵でアルコールに変化しなかったブドウの残糖だけで瓶内2次発酵させます。一方、ブランケット・ド・リムーは、 90%以上のモーザック種使用を条件に、シャルドネとシュナンをブレンドできます。クレマン・ド・リムーのように、ティラージュのリキュールを足し、その ままの状態で、少なくとも9ヶ月間、酒庫で静かに熟成すると、 瓶内二次醗酵がおこり、きめの細かい泡が発生します。 その後、打栓する前に澱を飛ばし、門出のリキュールを足すのですが、このリキュールの量によって、そのワインがブリュットになるかドゥミセックになるか決 まります。クレマン・ド・リムーも醸造方法は同じですが、熟成期間は15ヶ月以上とブランケットより長くなっています。

 

Types de vins  味わい 

 ブランケット・ド・リムーとクレマン・ド・リムーは、共に、金色の光沢を放つ、青みがかった色調の発泡性ワインです。杏やアカシアの花、西洋サンザシ、 桃や林檎の花、柑橘類、トーストを思わせる香りがあります。アペリティフにも適していますし、アンチョビや、テリーヌ、鶏肉や子牛肉、やり烏賊、ヒメジ (魚)ともよく合います。

 

Cabardès A.O.C.

AOCカバルデス

Présentation  紹介

 AOCカバルデスは、カルカッソンヌの北西10キロ地帯で生産されているワインです。ラングドック・ルーション地方で最も西側にある生産地区で、ミネル ヴォワ生産地区に隣接し、オード県の18村が生産地区に指定されています。ミネルヴォワ同様、畑はカルカッソンヌ平原を見下ろす、モンターニュ・ノワール 南側のなだらかな斜面に広がり、丘陵の裾野は石灰質の小石、上側は花崗岩や砂岩、片麻岩など古生代の岩で覆われています。標高が高く、気候的には地中海と 大西洋の双方から影響を受け、この地区独特のクリマが形成されます。グルナッシュ、シラー、サンソーなど地中海品種とメルロー、カベルネ・ソーヴィニョ ン、カベルネ・フラン、フェール・サルヴァドゥなど大西洋沿岸のブドウ品種両方の使用が可能な、数少ない生産地区の1つです。

 

Types de vins 味わい

 AOCカバルデスには赤とロゼの2種類があります。

赤ワインは、しなやかで馥郁とした味わいで、赤や黒い果実やプルーン、砂糖煮の果実、スパイス、レグリース、森の下草など、複雑で濃厚なアロマに包まれて います。ハムやサラミ、鶏肉、羊肉のスペアリブ、カスレ(インゲン豆と脂身肉を煮込んだ、カルカッソンヌ周辺の郷土料理)、山羊チーズと相性が良いでしょ う。

ロゼワインはキレのある辛口で、ハムやサラミ、羊肉の串焼き、タジン、鶏肉のアーモンド焼きなどとよく合います。繊細で果実味豊かな味わいが魅力的です。

 

Clairette

de Bellegarde A.O.C.

AOCクレレット・ド・ベルガルド

Présentation  紹介

 AOCクレレット・ド・ベルガルドは、ニームとアルルの中間にある、ガール県ベルガルド村で造られている白ワインです。コスチエール・ド・ニーム生産地 区に隣接し、ブドウ樹は日当りのよい、玉砂利や砂岩質の土壌に植えられています。暑くて、雨の少ない地中海性気候で、日照時間が長い地域です。

 

Types de vins  味わい  

 クレレット種のワインをタンクやバリークで熟成したクレレット・ド・ベルガルド。青みがかった金色の、きれいな色調を帯びた辛口ワインで、胡椒やスパイ ス、フェンネル、グレープフルーツを思わせる、独特のアロマに包まれた、酸味の比較的少ない、丸みのある、柔らかい味わいです。地元では、焼き魚や生牡蠣 と共によく賞味されています。

 

Collioure A.O.C.

AOCコリユール

Présentation  紹介

 ピレネー=ゾリアンタル県にあるコリユール生産地区は、 バニュルスと同じ生産地区で、4村(727ヘクタール)に跨がっていm#ます。ブドウ樹は、貧しい砂岩質土壌の険しい斜面に植えられています。生産地区 は、暑く乾燥した、地中海性気候の恩恵を受けており、大変日当りがよいため、ブドウは健やかに完熟することができます。赤ワインは、グルナッシュ・ノワー ル、ムールヴェードル、シラー、カリニャン、サンソーから造られ、最初の3つのブドウ品種を単独、あるいは合計で60%以上使用し、且つその内のどれもが 90%未満であることが義務づけられています。 

コリユール・赤は、除梗したブドウを長時間醸してから、温度調節をしながら伝統的な方法で醸造します。ロゼは、赤ワインと同じ品種を使用しますが、グル ナッシュ・グリも30%間でならブレンドすることができます。白ワインには、グルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・グリ、マカブー、マルサンヌ、トゥル バ、ヴェルメンティーノを使用できます。

 

Types de vins  味わい

 コリユール・赤は、美しいサクランボ色を帯びた、力強く、アルコールの高いワインです。若いうちは小粒の黒い果実(ブラックチェリーやブラックベリーな ど)や赤い果実のアロマに満ちており、熟成につれ、ジビエや煮込みを含めた肉料理を引き立てる、フィネスと複雑みを備えたワインになります。

色持ちのよいバラ色のコリユール・ロゼは、熟した赤い果実を思わせる芳香に満ちた、繊細で、調和のよいワインで、魚料理や焼き肉、パエーリャ、サラダ、ハムやサラミとよく合います。

コリユール・白は、花を思わせる香りに包まれた、ミネラリーでエキゾチックなニュアンスのある、濃厚な味わいのワインです。 

 

Corbières A.O.C.

AOCコルビエール

Présentation  紹介

 コルビエール生産地区は、東西はナルボンヌ市からペルピニャン市まで、南北はカルカッソンヌ市から地中海まで広がっており、オード県の105村に跨がっ ています。土壌は、大部分が粘土石灰質土壌ですが、片岩質、赤い砂岩、泥灰土、小石を多く含んだ段丘もあります。地中海性気候ですが、西側のテロワールは 大西洋の影響も受けています。面積が広く、多様な土壌があるため、生産地区内で11のテロワールに階級付けされています。最もよいテロワール(クリュ)と されているのはブトナックですが、他にもデュルバン、フォンフロワド、ラグラース、レジニャン、モンターニュ・ダラリック、ケリビュス、サン・ヴィクトー ル、セルヴィエス、シジャン、テルムネスといったテロワールがあります。また、生産地区は、大きく4つに区分できます。

-       コルビエール沿岸地帯 : 生産地区最東に位置するこの地帯は、地中海性気候で、標高が低く、石灰質土壌が多い地帯です。

-           コルビエール高地 : 生産地区南西の山間部にあります。コルビエール生産地区で最も標高が高く、涼しい地帯で、山の合間に畑が点々と散らばっています。土壌は、偉大なワイン造りに適した片岩を多く含みます。

-           アラリックのコルビエール : コルビエール生産地区の北西に位置し、オード丘陵に聳える、標高600メートルのアラリック山からその名を取っています。大西洋の影響も大きく受ける地中海性気候で、土壌は変化に富んでいます。

-コルビエール中部 : その名の通り、コルビエール生産地区の真ん中を指します。土壌は、泥灰質や砂岩質で、大変乾燥した、暑い気候です。

 

Types de vins  味わい 

 AOCコルビエールには、赤、白、ロゼワインがありますが、生産全体の9割以上は、赤ワインです。

コルビエール・赤には、伝統的な地中海品種である、カリニャン(地区によって制限あり)、グルナッシュ・ノワール、ラドネ・ペリュ(リャドナー・ペル ト)、ムールヴェードル、シラー、サンソーが使われています。濃厚なアロマを伴う、ややタニックで、アルコールの高いワインで、しばしば飲み頃を迎えるま でに数年の熟成を要します。スパイス(胡椒やレグリース、ガリーグの香草、タイム、ローズマリー)のニュアンスを帯びた赤い果実(カシスやスグリ)を思わ せる香りは、数年の熟成を経て、鞣し革やコーヒー、カカオ、森の下草、ジビエの香りへと変化していきます。鴨のオレンジ煮や羊肉のシチュー、ローストした 鳩肉など、様々な料理と相性が良いでしょう。

コルビエール・ロゼは、赤のブドウ品種とともにグルナッシュ・グリもブレンドすることができます。セニエ方式と圧搾方式両方のロゼがあり、サーモンピンク 色に輝く淡い桃色から、色持ちのよいバラ色まで、色合いも様々です。爽やかで丸みのある味わいで、ラズベリーやスミレ、トロピカルフルーツなどのアロマが 感じられ、長い余韻が楽しめます。

コルビエール・白の醸造には、ブールブーラン、グルナッシュ・ブラン、マカブー(全体の50%以上を占めること)の3品種に、クレレット、ピクプール、 ミュスカ、テレ、マルサンヌ、ルーサンヌ、ヴェルマンティーノを補随することができます。直接圧搾して醸造しており、樽熟成を経ることもあります。とろみ があり、肉づきがよく、それでいて爽やかな、バランスのとれた味わいで、柑橘類や胡椒、シナモン、花のアロマが感じられます。焼き魚や貝類、エビ料理、鶏 のマッッシュルーム炒め等と相性が良いでしょう。

Corbières Boutenac A.O.C.

AOCコルビエール・ブトナック

Présentation  紹介

 コルビエール生産地区の中でも最も秀逸なテロワールと見なされているコルビエール・ブトナック生産地区は、レジニャン村からテザン村間での10村に跨がっています。

土壌は中生代の石灰質や砂岩質と新生代のモラッセで、古樹が、地下水を求めて地中深くまで根を張っているため、テロワールの特徴が、ブドウにも色濃く反映 します。2005年に認可された赤ワインのための生産地統制呼称で、1ヘクタール当たりの収量(コルビエール45ヘクトに対し、ブトナックは50ヘクト) をはじめ、生産基準はコルビエールより厳しく設定されています。

赤ワインのみコルビエール・ブトナックを名乗ることができます。

 

Côtes du Roussillon A.O.C.

AOCコート・デュ・ルーシヨン

Présentation  紹介

 コート・デュ・ルーシヨンは、ピレネー・ゾリアンタル県の118村を含む、コルビエール生産地区の南からスペイン国境のアルベールまでの地帯で生産され ています。ルーション平原とその周辺の丘陵地帯で、アグリ渓谷、テ渓谷、テッシュ渓谷、レ・ザスプル(赤ワインのみ、37村がこの地区名をラベルに表示で きます)、レ・ザルベール、地中海沿岸地帯と、その中でも更に細かい区分けがあります。畑は石で覆われていることが多く、赤い粘土、花崗岩、片岩、片麻 岩、粘土石灰質など、様々な土壌があります。丘陵地帯は起伏が激しく、レ・ザスプル、フヌイエール、コルビエール、アルベールなどの、台地や段丘を形成し ています。夏は大変暑く、雨は秋に集中して降るのですが、日照時間が大変長いため、ブドウは健やかに完熟を迎えます。

 

Types de vins 味わい : 

 コート・デュ・ルーションには、赤、ロゼ、白がありますが、量的には赤ワインが圧倒的に多くなっています。コート・デュ・ルーション・赤は、カリニャン (50%以上)、グルナッシュ・ノワール、シラー、ムールヴェードル(この4種は少なくとも合わせて8割以上を構成するが、単独では7割を超えてはならな い。またシラーとムールヴェードルは単独あるいは合わせて25%以上含まれていること)、サンソー、ラドネ・ペリュ(リャドナー・ペルト)、(赤は最大 10%、ロゼは30%まで使えます)の中から、2種類以上のブドウをブレンドしています。

とろみとコクのある、まろやかな味わいで、アルコールが高く、凝縮感と豊かなアロマ(熟した赤い果実や、サクランボ、プルーン、野生のベリー、スパイス、 レグリースなど)を備えています。滑らかな美しい質感で、深みがあり、少し癖の強い肉料理やチーズにも負けない、造りのしっかりした、骨太のワインです。 また、従来のスタイルとは異なる、カリニャンをメインに、マセラシオン・カルボニク製法で造った初物ワインもあります。

鮮やかな色合いのコート・デュ・ルーション・ロゼは、ややスパイシーで、サクランボなど赤い果実やプラム、レグリースを思わせる香りに包まれたワインです。素直な果実味が魅力の、馥郁として、力強い、芳醇な味わいで、ややコクがあります。

フローラルな芳香に包まれたコート・デュ・ルーション・白は、グルナッシュ・ブラン、マカブー、トゥルバ(別名マルヴォワジー・ド・ルーション)を主要品 種とし、更にマルサンヌ、グルナッシュ・グリ、ルーサンヌ、ヴェルメンティーノ(最大50%までブレンド可)がブレンドされています。爽やかで、キレのよ い、繊細な味わいは、イワシや蟹、海老類、エスカルゴとよく合います。

 

Côtes du Roussillon-Villages A.O.C.  AOC コート・デュ・ルーシヨン・ヴィラージュ

Présentation  紹介

    ピレネー・ゾリアンタル県、アグリ渓谷周辺の32村で生産されるコート・デュ・ルーシヨン・ヴィラージュ。この生産地区内には、片岩質、変麻岩質、花崗岩 質を中心に、様々な土壌があります。主要品種のカリニャンが、全体の60%以上を構成していることを条件に、サンソー、グルナッシュ、ラドネ・ペリュ (リャドナー・ペルト)、 シラー、ムールヴェードル(30%以上)、マカブー(最大10%まで)をブレンドすることができます。また、コート・デュ・ルーシヨン・ヴィラージュに は、ラトゥール・ド・フランス、レスケルド、トータヴェル、カラマニーの4つの村名アペラシオンがあり、これらのテロワールで造られたワインは、上記のブ ドウ3種類以上をブレンドしていれば、ラベルに村名を記載することが認められています。

Latour-de-France ラトゥール・ド・フランス:ラトゥール・ド・フランス村とその周辺の村のブドウ畑176ヘクタール。砂岩質、粘土石灰質、花崗岩質土壌です。

Lesquerde レスケルド:(1995年に認定。)コート・デュ・ルーシヨン・ヴィラージュ生産地区の端、アグリ渓谷にある、レスケルド村、ランサック村、レジゲール村で造られたワインが対象です。

Tautavel トータヴェル:1997年に認定されたトータヴェル村とヴァングロー村の粘土石灰質土壌の畑。カリニャンは少なめで、グルナッシュとリャドナー・ペルトの比率が高いのが特徴です。瓶詰めされる前に、12ヶ月以上、熟成されています。

Caramany カラマニー:アグリ渓谷にあるカラマニー村と、ベレスタ村、カサーニュ村の畑の一部を含むテロワールで、片麻岩質土壌です。

 

Types de vins  味わい

 コート・デュ・ルーシヨン・ヴィラージュは、オーク樽で3年以上熟成されているものが多く、コート・デュ・ルーシヨンより造りがしっかりしており、より ふくよかで、力強く、複雑みがあります。まろやかで芳醇な味わいで、骨太で、タニックで、長い余韻があります。若いものは、小粒の赤い果実や煮たカシス、 胡椒、レグリース、ロリエ、バニラの香りを帯びており、熟成を経たものは、動物やブランデー、トリュフなどの複雑なニュアンスを帯びています。ロースト ビーフや肉の煮込み、羊肉料理、ジビエ、チーズなどと相性が良いでしょう。

 

Crémant de Limoux A.O.C.

AOCクレマン・ド・リムー

Présentation  紹介

 1990年にAOC(原産地呼称統制ワイン)として認可された発泡性ワインで、ブランケット・ド・リムー、メトード・アンセストラルにつづく、リムーの 3つ目の発泡性ワインです。生産地区は、カルカッソンヌ市南に広がる、オード県の41村で、ブランケット・ド・リムーと全く同じですが、使用できるブドウ 品種は異なり、伝統的な自生品種モーザックは20%以内で、シュナンとシャルドネをブレンドするよう生産基準で定められています。また、瓶内二次醗酵の期 間も、ブランケットが9ヶ月間以上であるのに対し、クレマンは15ヶ月間以上です。

 

 

Types de vins  味わい : 

 光にかざすと金色に輝く、淡い色調の発泡性ワインです。概して、ブランケットよりも造りがしっかりしていますが、香りは若干弱いようです。杏やアカシアの花、西洋サンザシ、林檎、トーストが感じられ、アペリティフにぴったりなワインです。

 

Faugères A.O.C.

AOCフォジェール

 

Présentation 紹介

 ベジエ平原を見下ろす、モンターニュ・ノワールの主稜を支えるように張り出した高原地帯に広がる7村で造られる小さな生産地区です。ブドウ畑は、砂岩片 岩を多く含有した土壌の南向きの斜面に広がり、北側はガリーグ(地中海沿岸の石灰質の原野)に浸食されています。地中海性気候で、乾燥して暑いため、ブド ウは健やかに完熟します。以前はカリニャン品種が多く植えられていましたが、この25年間で、他の品種もかなり増加しました。AOCフォジェール・赤は、 グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル(少なくとも5%を占めていること)、カリニャン(最大40%まで)、サンソー(最大20%まで)、ラドネ・ペ リュ(最大20%まで)から造られています。この生産地区内では、白ワインは殆ど造られていませんが、2005年に認可されたAOCフォジェール・白もあ ります。

 

Types de vins  味わい 

 AOCフォジェールは、赤が有名ですが、ロゼと白もあります。フォジェール・赤は、アルコールが強く、官能的で、魅力に富んだワインです。シルキーで、 フィネスが備わり、タンニンの存在感はあってもよく溶け込んでいて、多彩なアロマ(チェリーや、ラズベリー、カシス、潰した苺、レグリース、革)が感じら れます。牛ステーキやイノシシ肉、山鶉などと相性が良いでしょう。セニエ製法や直接圧搾して造ったロゼワインは、赤い果実や白い花のアロマ、煙のニュアン スを帯びており、丸みがあり、調和のとれた味わいで、ハムやサラミ、前菜、サラダなどとよく合います。ルーサンヌ、マルサンヌ、グルナッシュ・ブラン、 ヴェルメンティーノ(ロール)から造られる白ワインは、砂岩片岩質のミネラルがよく感じられるワインです。

 

Fitou A.O.C. AOCフィトゥ

Présentation 紹介

 ラングドック地方南部、ペルピニャン市とナルボンヌ市の中間にあるオード県の9村で生産されているAOCフィトゥ。地中海性気候で、湿度の高い、海沿い の粘土石灰質土壌のテロワールと、山側の、地層の浅い砂岩片岩質土壌のテロワールがあります。主要品種はカリニャン(最大30%以上含むこと)で、グル ナッシュ・ノワール、ラドネ・ペリュ(リャドナー・ペルト)(上記3種が全体の7割以上を構成すること)、 シラー、ムールヴェードル、サンソー(最大10%まで)がブレンドできます。

 

Types de vins  味わい : 

 フィトゥ生産地区では、除梗・破砕してから温度調節をおこないつつ伝統的な方法で醸造する場合と、破砕せずに、マセラシオン・カルボニク製法で造る場合 があり、それぞれの生産者が、品種によって醸造方法を変え(例えばカリニャンは後者が多い等)、後にブレンドすることが多いです。熟成は9ヶ月間以上おこ なわれます。

鮮やかなルビー色に輝くフィトゥは、芳醇で、造りがしっかりしており、とろみのある、豊満な味わいで、野花やガリーグの香草、赤い果実(カシスやチェ リー)、スパイス、炒ったアーモンド、革、獣肉、プルーンなどを思わせる、複雑なアロマに包まれています。イノシシや鹿肉、ローストビーフのマッシュルー ム添え、鴨のマグレとのマリアージュをお試しください。

 

Languedoc A.O.C.

AOCラングドック

Présentation 紹介

 数年前まではコトー・デュ・ラングドックと呼ばれていたAOCラングドック。生産地区は、地中海沿岸に、ニーム市からナルボンヌ市まで帯状に広がってお り、オード県、エロー県、ガール県、ピレネー・オリアンタル県の496村が生産地として指定されています。ガリーグ地帯の堅い石灰質から、片岩で覆われた 砂岩質まで様々な土壌があるため、テロワールの特徴が際立っている地域では、村名や地区名をラベルに表示することが認められおり、現在、赤とロゼワインに は、ラ・クラープ、キャトルズ、カブリエール、モンペルー、サン・サチュルナン、ピックサンルー、サン・ジョルジュ・ドルク、レ・コトー・ド・ラ・メジャ ネル、サン・ドレゼリ、サン・クリストル、レ・コトー・ド・ヴェラルグ、グレ・ド・モンペリエ、テラス・ド・ラルザック、ペゼナスの14地区が、白には、 ラ・クラープとピクプール・ド・ピネの2地区が、その名称を村名としてラベルに表示できます。

これらの地区の中で、ラ・クラープ、グレ・ド・モンペリエ、テラス・デュ・ラルザック、ペゼナス、ピック・サンルーの5地区が、現在クリュとして認められ、より厳しい生産基準を定められています。

使用できるブドウ品種は、地中海沿岸の自生品種で、赤とロゼには、カリニャン(最大40%まで)、サンソー(最大40%まで)、グルナッシュ、 リャドナー・ペルト、シラー、ムールヴェードルを、白には、グルナッシュ・ブラン、クレレット、ブールブーラン、ピクプール・ブランを50%以上使用する ことを条件に、ユニ・ブラン、テレ、カリニャン、マカブー、マルサンヌ、ルーサンヌ、ロールをブレンドできます。

Types de vins  味わい 

    AOCラングドックには、赤、ロゼ、白ワインがあります。赤ワインは伝統的な方法やマセラシオン・カルボニク製法で醸造されており、ビロードのように滑ら かな質感の、豊満で、力強く、エレガントな味わいで、肉料理とよく合います。若いうちは、ラズベリーやカシス、胡椒を思わせる香りがあり、長期熟成を経た ものは、革やロリエ、ガリーグの香草(タイムやローズマリー、エニシダなど)が感じられます。

セニエ製法からなるロゼワインは、果実味豊かでアルコールの強いものが多いです。しなやかで、馥郁とした、フィネスを備えたワインで、ラズベリーやスグリ、サクランボや花のアロマに満ちています。 オードブルやハム・サラミ、魚料理と相性が良いでしょう。

タンクやオーク樽で熟成された白ワインは、杏や桃、蜂蜜や花の香りに包まれた、芳醇で、丸みのある、快活な味わいのワインで、時に香ばしいニュアンスを帯びています。地元では、焼き魚や生牡蠣と味わうことが多いです。