ボージョレー地方の精華と言えば、同地方北部で造られる10のクリュ・ボージョレー(ブルイイ、シェナス、シルーブル、コート・ド・ブルイイ、フルー リー、ジュリエナス、モルゴン、ムーラン・ナ・ヴァン、レニエ、サン・タムール)が、挙げられます。(地図参照)また、同地方のジェネリックワインである AOCボージョレーには、AOCボージョレー・ヴィラージュとAOCボージョレー・シュペリュールが含まれており、これらのワインは主に南部で造られてい ます。

 

ボージョレー地方の片岩と砂岩が混ざった花崗岩質の土壌は、ガメ種の栽培によく適しているため、表情豊かな香り高いガメ種のワインが産み出されています。

とはいえ、ボージョレー地方の全てが花崗岩質土壌なわけではなく、クリュ・ボージョレー生産地区には、異なる土壌も数カ所あります。例えば、ジュリエナス のテロワールは粘土石灰質土壌ですし、シェナスには、マンガンの含有率が高い花崗岩質の畑があります。また、フルーリーは、珪石と花崗岩が混ざった土壌 で、コート・ド・ ブルイイの産地、ブルイイ山の斜面では、「コルヌ・ヴェルト」と呼ばれる、特異な花崗岩砂岩質の土壌で、ブドウが栽培されています。こういった違いは、後 ほどもう少し詳しく説明しますが、生産者の醸造方法とともに、各クリュの個性となっています。

 

ボージョレー地方の中に、同地方に隣接するAOCコトー・デュ・リヨネが含まれることがよくあります。コトー・デュ・リヨネは、古代ローマ時代からワイン が造られた、歴史的にも大変古いリヨン郊外のブドウ生産地区で、主に花崗岩・変成岩・堆積岩で構成されたこの地の土壌と相性の良いガメ種が多く植えられて います。1984年に原産地呼称ワイン(AOC)として認められたコトー・デュ・リヨネの生産地区では、ボージョレーワインと同じ醸造方法で造った赤ワイ ンが多く生産されていますが、ロゼや白ワインもいくらか造られています。

 

CÉPAGES

ブドウ品種

 ボージョレー地方で主に生産されているのは、赤ワインですが、これらの赤ワインとロゼワインは全て、ガメ・ノワール・ア・ジュ・ブラン種(『白い果汁の 黒いガメ』という意味で、単に『ガメ』或は『ガメイ』と呼ばれることが多い)のブドウから、造られています。また、この地方では、シャルドネ種を原料にし た白ワインも、少量ながら生産されています。

AOCコトー・デュ・リヨネの白ワインは、シャルドネ種・ピノ・ブラン種・アリゴテ種のブドウを使用できます。

 

TYPES DE VINS

ワインの味わい 

この地のジェネリックワインは、しなやかで果実味豊かな、喉越しのよいワインです。それに対し、クリュ・ボージョレーは、より複雑みがあり、特に、モルゴンやムーラン・ア・ヴァンでは、長期熟成に適したワインも造られています。

澄んだ酸味の、キレのよい白やロゼワインは、果実味を楽しむべく、醸造後なるべく早めにご賞味ください。白、ロゼ共に、山羊のフレッシュチーズと相性がよく、アペリティフのひとときにお勧めしたいワインです。

 

 

 

 

Profil général des derniers millésimes

近年のヴィンテージ情報 :

 

2007年 : 早熟で収量の少なかった年。新鮮な果実を頬張るような爽やかさがあり、造りもしっかりしています。全体的に出来がよく、AOCボージョレー、AOCボージョレー・ヴィラージュ共に良年でした。

 

2008年 : 成熟が遅く、不作の年でした。但し、9月から晴天となり、完熟した良いブドウが収穫できました。果実味豊かで、造りもある程度しっかりしており、きれいな酸味を備えています。

 

2009年 : 素晴らしく天候に恵まれた、見事なヴィンテージです。重厚な造りで、よく熟し、且つ重くはなく、爽やかな果実味に恵まれた、魅力溢れるワインができまし た。AOCボージョレーやAOCボージョレー・ヴィラージュは、すぐに飲みたいワインですが、クリュ・ボージョレーの多くは、長期熟成に適したワインで す。

 

2010年 : ブドウの実が落ちてしまったため、収量は少なかったものの、暑く乾燥した9月の恩恵を受け、果実味豊かで、構造のきれいなワインができました。

 

2011年 : 他のフランスの生産地方同様、かなり例外的な天候の年。温暖な春に続き、天候不順の夏が訪れ、八月末にやっと気温が上がりました。とはい え、最終的には、病害のほぼない、小粒の健全なぶどうが収穫できたため、熟成後はまずまずのヴィンテージとなりそうです。

2012年:気候条件はあまり良くなかったため低量だったが、9月上旬の乾燥した状態により、ブドウの熟度を維持し、全体的に良好な品質となった。おそらくこの年のミレジムは記録には残らないだろうが、それでも非常によく作られた。

 

ボージョレー地方の原産地呼称統制

(AOC)

 

Beaujolais et beaujolais supérieur A.O.C.

AOCボージョレーと AOCボージョレー・シュペリュール

南北に90km、東西に15kmの幅で広がるボージョレー生産地域は、3つの小郡と55の自治体に跨がり、マコン南のレーヌ村からアブルル村まで続いてい ます。生産地域は、北はアルレ川、西はリヨネ山脈、東はソーヌ河、南はトゥルディンヌ河で区切られており、過半数のAOCボージョレーが、ヴィルフラン シュ=シュル=ソーヌ市以南で造られています。シャルドネ種のブドウから白ワインも造られていますが、生産量は大変少なく、AOCボージョレー総生産高の 2%にすぎません。

生産条件に関しては、AOCボージョレーはアルコール度が10%以上、AOCボージョレー・シュペリュールは11%以上であることが条件です。生産されたワインの大部分は、ボージョレー・ヌーボーとして消費され、総生産高の4分の3は、ネゴシアンから販売されています。

 

Climat et Sols 気候と土壌 :

AOCボージョレー生産地域の土壌は、マンガンが混ざった花崗岩や結晶質鉱物で構成された北部の土壌と、粘土石灰質の堆積岩からなる南部の土壌の、2種類 に大別できます。畑は、斜面や、この地方を潤す数多の小川の流域にあります。10のクリュは、 薄くて水はけがよい北部の土壌にあり、南部では、AOCボージョレーとして販売されるワインの多くが生産されています。

ボージョレー地方の気候は温暖ですが、冬は寒く、夏は暑い、大陸性気候の影響も受けています。西からの風が、ボージョレーの丘陵によって遮られる他、畑は東南東向きの斜面にあるため、日当りが大変良いのが特徴です。

 

Types de vins 味わい :

AOCボージョレーは、破砕も除梗もせずに、ブドウを房のままタンクに入れ、表皮ごと細胞内醗酵をした後、アルコール発酵をおこなったワインです。爽やか で、果実味豊かな、喉越し軽やかな味わいが特徴です。ほんのり紫がかった、深みのあるルビー色で、スグリ、カシス、ラズベリーといった小粒の赤い果実を思 わせる香りがあります。新鮮な果実味を楽むべく、熟成させずにすぐ飲んでしまいましょう。AOCボージョレーは、毎日のお食事、ハム・サラミ類などとよく 合うワインです。

 

Beaujolais-villages A.O.C.

AOCボージョレー・ヴィラージュ

AOCボージョレー・ヴィラージュは、ボージョレーワイン総生産の凡そ4分の1を占め、ローヌ県の39ヵ村とソーヌ=エ=ロワール県の8ヵ村で生産されて います。 南はレーヌ村、北はドゥニシェ村まで畑があり、オドゥナ村、モンムラ村、ヴォールナール村、リヴォレ村、サン=ラジェ村も入ります。また、10あるク リュ・ボージョレーのうち、9つのクリュ生産区域でも生産することができます。

土壌は、片岩や花崗岩を多く含んだ、結晶質鉱物で構成され、ガメ種に大変適しており、このブドウの個性がワインにもよく反映しています。

AOCボージョレー・ヴィラージュは、アルコール度が10,5 %以上であることが、生産の条件です。また、ラベルに村名を記載することが認められていますが、実際にそうしているものは稀です。

Types de vins  味わい :

サクランボ色で、イチゴやカシスなど赤い果実を思わせる香りがあります。また、革やスパイス、ジビエ(野獣、野禽)を彷彿とさせる香りがするものもありま す。AOCボージョレーより造りがしっかりしており、果実味豊かで、喉越しがよく、快活で、キレのよいことが多いです。バランスのよい、まろやかな味わい で、早飲みタイプから熟成タイプまでバラエティに富んでいます。

AOCボージョレー・ヴィラージュは、腸詰めソーセージ、鶏のワイン煮込み、牛料理、リヨン産チーズ、子豚肉、ローストチキン、ポトフなどと相性が良いワインです。

 

Brouilly A.O.C.

AOCブルイイ

『愛のワイン』と呼ばれることもあるAOCブルイイは、クリュ・ボージョレーの中で、最も生産面積が広く、最南にあるクリュです。畑は、ブルイイ山を取り 囲むように、サン=ラジェ村、カンシエ村、セルシエ村、オドゥナ村、サン=テティエンヌ=ラ=ヴァランド村、シャランテ村の6ヵ村に広がっています。この 地では、14世紀から、丘の南側でブドウが栽培され、ワインが造られていましたが、17世紀までは全て地元で消費され、他所へ出荷されることはありません でした。

AOCブルイイ生産地区には、数種類の土壌があり、サン=テティエンヌ=ラ=ヴァランド村、カンシエ村、オドゥナ村の畑は、花崗岩が多い粘土砂土壌にあり ます。一方、サン=ラジェ村とセルシエ村の土壌は、表層は砂岩・珪石・石灰岩で、下層土は石灰泥灰質の下層土になっています。また、セルシエ村の南向き斜 面にある22ヘクタールの畑『ピッス ヴィエイユ』は、ブルイイ生産地区で唯一クリマとして認可されています。

 

Types de vins  味わい :

AOCブルイイは、よい性質を備えたワインです。柔らかく繊細で、ボディの締まった、頑健で力強いワインで、 快活で果実味豊かな味わいです。また、調和のとれた、口当たりのよいタンニンと、丸みがあり、ワイン香味もかなりあります。

鮮やかなルビー色で、ブルーベリーやブラックベリー、生のブドウ、キルシュ、チェリーを思わせる香りを持ち、ミネラルのニュアンスが感じられることもあります。

 焼き肉やハンバーグ、ハムやサラミ、山羊チーズなどと合わせてご賞味ください。

 

Chénas A.O.C.

AOCシェナス

シェナスという名前は、この地にかつて多く植生していた樫のフランス語名「シェーヌ」に由来します。生産地区に指定されているのは、シェナス村とシャペ ル=ド=ガンシェ村で、ローヌ県とソーヌ・エ・ロワール県の2県にかかっています。ジュリエナスとサン・タムールの北、ムーラン・ナ・ヴァンの南に位置す るシェナスは、ボージョレーのクリュの中で最も小さなクリュでもあります。大部分の畑はモーヴェーズ渓谷にあり、ミクロクリマの恩恵を受けているため、ブ ドウは比較的早熟です。地表は石が多く、全体的に痩せた土壌で、高い所にある畑は花崗岩質土壌で、標高が下がるにつれ、粘土珪酸質土壌に変わってきます。

AOCシェナスは、総生産高の凡そ半分は、生産者協同組合によって生産されています。

 

Types de vins  味わい : 

「ビロードの花瓶に生けられた花束」と形容されるワイン、AOCシェナス。深みのある赤い色合いで、牡丹やバラ、すみれなどの花を思わせる香りがあり、熟 成したものはスパイス香や樽香を帯びています。味わいとしては、柔らかで、厚みがあり、ふくよかで、アルコールがきいています。タンニンはエレガントで、 余韻が長く、年を経るにつれ、まろやかになります。ジュリエナスより花の香りがあり、ムーラン・ア・ヴァンにも似ていますが、もっとコクがあります。平均 5~8年間は熟成させることができるワインですが、同じシェナスでも、シャペル=ド=ガンシェ村で造られるものは更に柔らかな味わいです。ローストビーフ やビーフシチュー、鶉や鳩肉、チーズとのマリアージュを是非一度お試しください。

 

Chiroubles A.O.C.

AOCシルーブル

リヨンから北上するところ50キロにあるシルーブルの生産地区。フルーリーの西、モルゴンの北に位置し、ボージョレー地方で最も標高の高い (250~400メートル)ところにあります。畑は圏谷の中を段状に広がっており、畑周辺の丘陵が風から畑を守っています。気温差は他のクリュより大き く、畑は全て、砂状の花崗岩が砂状でできた、薄く痩せた、水はけのよい土壌です。

 

Types de vins  味わい :

AOCシルーブルは、軽やかで柔らかく、キレのある、爽やかな、果実味溢れるワインです。優美で繊細なワインで、バランスがよく、豊満な香りは表情豊かで、タンニンはあまり強くありません。フィネスを携えた、大変女性的なワインと言えるでしょう。

明るい鮮紅色で、すみれや牡丹、スズラン、アイリス、ラズベリー、スグリを思わせる香りがあります。そのさわやかな香味を楽しむべく、醸造後、なるべく早 めに召し上がることをお勧めします。「体を内部から撫でるような」優しい味わいのAOCシルーブルは、兎のテリーヌや焼き肉、ハムやソーセージ、サラミ、 鶏や子牛肉を使った料理、ラムの肩肉、シャロレー産チーズなどと、よく合います。

 

Côte de Brouilly A.O.C.

AOCコート・ド・ ブルイイ

コート・ド・ブルイイの畑は、ブルイイ山の険しい斜面にあり、サン=ラジェ村、カンシエ村、セルシエ村、オドゥナ村に跨がっています。この地では、既に 4~5世紀頃にはブドウ栽培がおこなわれ、クリュ・ボージョレーの中では、最初に認可されたAOCです。1857年に、この地にノートルダム・デュ・レザ ン礼拝堂が建立されたことから、聖母マリア様をこのクリュの守護神としています。コート・ド・ブルイイ生産地区は、「ブルイイの青い石」と呼ばれる、溶岩 の結晶質鉱物の石や、「緑の角」と呼ばれる、閃緑岩の片岩があり、大変独特な土壌を形成しています。

 

Types de vins  味わい :

AOCコート・ド・ブルイイは、鮮やかなルビー色で、ラズベリーやブルーベリー、生のブドウ、キルシュ、アイリスの花を思わせる香りや、バニラのブーケが あります。味わい深く、芳醇で、ワイン香味とコクがあり、厚みとハリがあって、ふくよかで骨太なワインです。余韻は長く、バランスがよく、タンニンは大変 エレガントです。通常、ブルイイよりも長期熟成に適しており、熟成を経ないものは、固く閉じた印象を受けるでしょう。構造がしっかりしているため、肉じゃ がや牛シチュー、鴨肉、チーズのタルトなどと、よく合います。

 

Fleurie A.O.C.

AOCフルーリー

AOCフルーリーは、シルーブル、モルゴン、ムーラン・ナ・ヴァンの3つの生産地区に囲まれた、フルーリー村で生産されています。畑は、東南あるいは北西 向きの傾斜地に広がっていて、勾配の険しい所にも、緩やかな所にもブドウが植えられています。フルーリー生産地区の多くは、結晶質鉱物を含んだ花崗岩質の 貧しい土壌ですが、村の東側には粘土を含有した土壌もあります。勾配のきつい丘側にある、黒い聖母が祭られたチャペルの麓周辺は、痩せ細った土地ですが、 街の下の方にある畑は、粘土を含んでいるため、やや粘りがあります。 原産地呼称全国機関(INAO)は、フルーリー生産地区内に、Les Côtes、Le Bon Cru、La Roilette、Les Moriers、Les Roches, Les Garants、Poncié、Montgenas、La Chapelle des Bois、La Madone、Grille Midi、Champagne、La Joie du Palaisの、計13のクリマを補随しています。

AOCフルーリーは、大部分が生産者協同組合によって醸造されています。

 

Types de vins  味わい :

ダークチェリー色を帯びたAOCフルーリーは、桃やカシス、アイリスやスミレ、バラを思わせる香りがあり、時にはスパイス香も感じられます。ふくよかでエ レガントな、滑らかで果実味豊かな、女性的なワインです。「ボージョレーの王様」ムーラン・ナ・ヴァンに対し、フルーリーは、「クリュの女王様」と呼ばれ ることがありますが、それはこのワインの女性的な優しさを意識してのことでしょう。高台で栽培されたワインは、より繊細で香りが高く、それに対し、低地の ワインは、骨太で、造りがしっかりしています。熟成も可能なワインで、腸詰めソーセージ、鴨のチェリー煮込み、羊のもも肉、鶏肉、子牛肉の料理などとよく 合います。

 

Juliénas A.O.C.

AOCジュリエナス

 AOCジュリエナスは、ボージョレー地方最北のクリュで、ブドウ畑はローヌ=アルプ地域圏であるローヌ県のジュリエナス村、ジュリエ村、エムランジュ村 と、ブルゴーニュ地域圏であるソーヌ=エ=ロワール県のプルズィリ村に広がっています。同生産地区の南側はシェナスに、南東側はサンタムールに接し、シャ ルドネが栽培されるマコネ地区と、ガメが育つボージョレー地方の中間にあります。畑は南西あるいは北西向きの斜面にあり、ブドウ樹は、北風や東から吹く風 から守られています。

AOCジュリエナス生産地区の土壌は、片岩や花崗岩を多く含む粘土質土壌です。西側はマンガンを含んだ花崗岩が多く、東側はもっと深い、粘土の含有率が高い土壌となっています。

 

Types de vins  味わい :

AOCジュリエナスは、深く濃い色合いで、牡丹やスミレ、スグリや森イチゴ、ラズベリー、カシスなどの赤い果実、野生の桃、シナモンを思わせる香りを帯びており、時として、スパイシーなものもあります。

例外はあるものの、ジュリエナスは、通常、豊満で、造りのしっかりした、濃厚で力強いワインで、醸造後2~5年内に飲むのがお勧めです。一般に、ジュリエ 村とエムランジュ村で造られたものは熟成期間が比較的短く、粘土の含有率の高い土壌で造られたワインは、熟れるのに時間を要するものが多いです。

AOCジュリエナスは、ローストビーフや牛やラムの煮込み、バーベキュー、鶏肉、鶏の赤ワイン煮とよく合います。

 

Morgon A.O.C.

AOCモルゴン

AOCモルゴンは、ヴィルフランシュ=シュル=ソーヌ市とマコン市からそれぞれ25キロ離れた、ヴィリエ=モルゴン村周辺で造られているクリュ・ボージョ レーです。ブルイイとともに、クリュ・ボージョレーの中で、最も広い生産面積を誇り、北側はシルーブルとフルーリーに、南西側はレニエに接しています。こ の生産地区内では、多数の小川が、西から東へと流れています。

AOCモルゴン生産地区の土壌は、脆くなった結晶質鉱物で構成された、粘土と砂の混ざった花崗岩質です。この地のテロワールは、マンガンと黄鉄鉱(バイラ イト)を豊富に含んでおり、これらのミネラルの影響で、モルゴンでは、熟成可能なワインが生産できます。ブルゴーニュの特徴を持った若いボージョレー産ワ インを、この地方では、愛着を込めて『モルゴンしたワイン』と呼ぶのはそのためです。

 

Types de vins  味わい :

ガーネット色に輝くAOCモルゴンは、サクランボや杏、桃、スモモなどの核果やキルシュ、甘酸っぱいキャンディ、イチゴやすぐり、カシス、ラズベリーを思わせる香りがあります。猛暑の年には、時折、よく熟した果実のアロマも感じられます。

一般に、豊満で、肉づきがよく、ふくよかで、がっちりした味わいのワインですが、中でもコート・ド・ピィ産のものは、特にその傾向が強く、モルゴンの特徴的な深みがよくでています。

ボージョレー地方のワインの中では、長期熟成のポテンシャルが最も高いワインの1つで、熟れるのに時間を要するワインが多いですが、その一方で早飲みタイプのワインを造っている生産者もあり、モルゴンを一言では語れません。

モルゴン生産地区には様々なクリマがあり、1985年には、Les Charmes(ボディのしっかりしたワイン)、Corcelettes、Côte du Py(長期熟成に適したフルボディのワイン)、Douby(もっとしなやかなワイン)、Les Grands Cras(まろやかで、香り高い、新鮮な果実味のあるワイン)、Les Micouds(その中間)の6つのクリマが、原産地呼称全国機関から認可されました。

AOCモルゴンは、焼き肉やモツ煮込み、ジビエ、鶏の赤ワイン煮、羊肉の煮込みやスペアリブのバーベキューとよく合うワインです。

Moulin à Vent A.O.C.

AOCムーラン・ナ・ヴァン

フランス語で「風車」を意味するムーラン・ナ・ヴァンは、その名称を、生産地域に現存する15世紀に建てられた風車から取っています。ジュリエナスやフ ルーリー、シェナに隣接したAOCムーラン・ナ・ヴァン生産地区の畑は、ローヌ県シェナ村と、ソーヌ=エ=ロワール県ロマンシュ・トラン村に広がっていま す。生産地区には、Grand Carquelin、Champ de la Cour、Les Thorins、La Roche 、Rochegrèsという5つのクロ(塀で囲まれた畑)があり、最初の4つは風車の近くで、最後のクロはフルーリーに近い高地にあります。畑は東向きの 緩やかな斜面に広がり、土壌は、酸化マンガンを豊富に含んだ、「ゴール」と呼ばれる崩れやすいバラ色の花崗岩で構成されています。この酸化マンガンが、ワ インに独特の風味を与え、このクリュの個性を形成しています。

 

Types de vins  味わい :   

AOCムーラン・ナ・ヴァンは、鮮やかなルビー色で、スミレやバラなどの花や、サクランボを思わせる香りがあります。熟成が進むにつれ、熟した赤い果実やスパイスのアロマが生まれ、時にはトリュフ、麝香、ジビエを思わせるニュアンスを帯びることもあります。

凝縮感のある、コクのある味わいで、力強く、骨太で、かなりタニックなワインです。ボージョレー地方のワインの中で、最も熟成に耐えうることから、「ボージョレーの優雅さとブルゴーニュの威光を携えたワイン」、と表現されることもあります。

AOCムーラン・ナ・ヴァンは、牛ステーキ、ローストビーフ、羊肉、ジビエ、チーズと相性の良いワインです。

 

Régnié A.O.C.

AOCレニエ 

クリュ・ボージョレーの中で一番西側にあるのが、AOCレニエ生産地区です。ヴィルフランシュ=シュル=ソーヌ市から25キロ北西にある、レニエ=デュ レット村とラティニエ村の2ヵ村が、生産地区に指定されています。 AOCレニエは、クリュ・ボージョレーの中で最も新しいクリュであり、クリュの認定を受ける前までは、最も優れたボージョレー・ヴィラージュの産地として 知られていました。畑は、アルディエール渓谷の緩やかな斜面に広がっており、その横に聳えるアヴナ山によって、厳しい北西風から守られています。畑は、ミ ネラルが豊富なバラ色の花崗岩で構成された、粘土を含んだ痩せた土壌です。

 

Types de vins  味わい : 

AOCレニエは、果実味豊かで喉越しのよい、魅力的なワインで、バランスがよく、きめの細かい繊細なタンニンがあります。色調はさくらんぼ色で、ラズベ リーやスグリ、カシス、ブラックベリー、ブルーベリーを思わせる香りがあり、熟した桃やスイカズラの花、スパイスを彷彿させることもあります。新鮮な果実 味を楽しむべく、長く熟成させずに飲みたいワインです。

AOCレニエは、牛や羊肉のグリル料理や焼き肉、スパイシーなハムやソーセージ、ジャガイモのクリームタルトやチーズとよく合います。

 

Saint-Amour A.O.C.

AOCサン・タムール

アムール=ベルヴュ村で造られるAOCサン・タムールは、ジュリエナスとともに、最北にあるクリュ・ボージョレー生産地区です。アムールという村名は、戦 いを逃れてガロワ(古代ローマ時代のフランス)に避難し、後にキリスト教の宣教師となった古代ローマ時代の兵士アモールに由来しています。ブルゴーニュ地 方マコネ地区のすぐ南側に位置し、シャルドネ種を原料とした白ワインのAOCボージョレーや、AOCサン=ヴェランも生産しています。

ベセ山の山腹に広がるブドウ畑は、花崗岩と石灰岩質の土壌に根を張っています。また、小石や砕けた岩片がごろごろする粘土珪酸質土壌のテロワールには、片岩や砂岩も混ざっています。

ボージョレー地方:

ガメの王国

 

フランス中部東に位置するボージョレー地方。「ボージョレー」という名称は、かつてこの地方の中心地だった小都市ボージューに由来しており、ワイン産地と しては、ブルゴーニュ地方マコンの南からリヨンの北までの地域を指しています。この地方では、赤ワインを主に生産していますが、ロゼワインも多少造られて いるほか、白ワインも、ボージョレー地方北部の限られた地域で醸造されています。ボージョレー地方では、ワインを理解する上で欠かせない三つの基本要素 「ブドウ品種」「テロワール」「クリマ」を反映した、個性豊かな芳香を持つワインが造られています。

 

ボージョレー地方の精華と言えば、同地方北部で造られる10のクリュ・ボージョレー(ブルイイ、シェナス、シルーブル、コート・ド・ブルイイ、フルー リー、ジュリエナス、モルゴン、ムーラン・ナ・ヴァン、レニエ、サン・タムール)が、挙げられます。(地図参照)また、同地方のジェネリックワインである AOCボージョレーには、AOCボージョレー・ヴィラージュとAOCボージョレー・シュペリュールが含まれており、これらのワインは主に南部で造られてい ます。

 

ボージョレー地方の片岩と砂岩が混ざった花崗岩質の土壌は、ガメ種の栽培によく適しているため、表情豊かな香り高いガメ種のワインが産み出されています。

とはいえ、ボージョレー地方の全てが花崗岩質土壌なわけではなく、クリュ・ボージョレー生産地区には、異なる土壌も数カ所あります。例えば、ジュリエナス のテロワールは粘土石灰質土壌ですし、シェナスには、マンガンの含有率が高い花崗岩質の畑があります。また、フルーリーは、珪石と花崗岩が混ざった土壌 で、コート・ド・ ブルイイの産地、ブルイイ山の斜面では、「コルヌ・ヴェルト」と呼ばれる、特異な花崗岩砂岩質の土壌で、ブドウが栽培されています。こういった違いは、後 ほどもう少し詳しく説明しますが、生産者の醸造方法とともに、各クリュの個性となっています。

 

ボージョレー地方の中に、同地方に隣接するAOCコトー・デュ・リヨネが含まれることがよくあります。コトー・デュ・リヨネは、古代ローマ時代からワイン が造られた、歴史的にも大変古いリヨン郊外のブドウ生産地区で、主に花崗岩・変成岩・堆積岩で構成されたこの地の土壌と相性の良いガメ種が多く植えられて います。1984年に原産地呼称ワイン(AOC)として認められたコトー・デュ・リヨネの生産地区では、ボージョレーワインと同じ醸造方法で造った赤ワイ ンが多く生産されていますが、ロゼや白ワインもいくらか造られています。

 

CÉPAGES

ブドウ品種

 ボージョレー地方で主に生産されているのは、赤ワインですが、これらの赤ワインとロゼワインは全て、ガメ・ノワール・ア・ジュ・ブラン種(『白い果汁の 黒いガメ』という意味で、単に『ガメ』或は『ガメイ』と呼ばれることが多い)のブドウから、造られています。また、この地方では、シャルドネ種を原料にし た白ワインも、少量ながら生産されています。

AOCコトー・デュ・リヨネの白ワインは、シャルドネ種・ピノ・ブラン種・アリゴテ種のブドウを使用できます。

 

TYPES DE VINS

ワインの味わい 

この地のジェネリックワインは、しなやかで果実味豊かな、喉越しのよいワインです。それに対し、クリュ・ボージョレーは、より複雑みがあり、特に、モルゴンやムーラン・ア・ヴァンでは、長期熟成に適したワインも造られています。

澄んだ酸味の、キレのよい白やロゼワインは、果実味を楽しむべく、醸造後なるべく早めにご賞味ください。白、ロゼ共に、山羊のフレッシュチーズと相性がよく、アペリティフのひとときにお勧めしたいワインです。

 

 

 

 

Profil général des derniers millésimes

近年のヴィンテージ情報 :

 

2007年 : 早熟で収量の少なかった年。新鮮な果実を頬張るような爽やかさがあり、造りもしっかりしています。全体的に出来がよく、AOCボージョレー、AOCボージョレー・ヴィラージュ共に良年でした。

 

2008年 : 成熟が遅く、不作の年でした。但し、9月から晴天となり、完熟した良いブドウが収穫できました。果実味豊かで、造りもある程度しっかりしており、きれいな酸味を備えています。

 

2009年 : 素晴らしく天候に恵まれた、見事なヴィンテージです。重厚な造りで、よく熟し、且つ重くはなく、爽やかな果実味に恵まれた、魅力溢れるワインができまし た。AOCボージョレーやAOCボージョレー・ヴィラージュは、すぐに飲みたいワインですが、クリュ・ボージョレーの多くは、長期熟成に適したワインで す。

 

2010年 : ブドウの実が落ちてしまったため、収量は少なかったものの、暑く乾燥した9月の恩恵を受け、果実味豊かで、構造のきれいなワインができました。

 

2011年 : 他のフランスの生産地方同様、かなり例外的な天候の年。温暖な春に続き、天候不順の夏が訪れ、八月末にやっと気温が上がりました。とはい え、最終的には、病害のほぼない、小粒の健全なぶどうが収穫できたため、熟成後はまずまずのヴィンテージとなりそうです。

2012年:気候条件はあまり良くなかったため低量だったが、9月上旬の乾燥した状態により、ブドウの熟度を維持し、全体的に良好な品質となった。おそらくこの年のミレジムは記録には残らないだろうが、それでも非常によく作られた。

 

ボージョレー地方の原産地呼称統制

(AOC)

 

Beaujolais et beaujolais supérieur A.O.C.

AOCボージョレーと AOCボージョレー・シュペリュール

南北に90km、東西に15kmの幅で広がるボージョレー生産地域は、3つの小郡と55の自治体に跨がり、マコン南のレーヌ村からアブルル村まで続いてい ます。生産地域は、北はアルレ川、西はリヨネ山脈、東はソーヌ河、南はトゥルディンヌ河で区切られており、過半数のAOCボージョレーが、ヴィルフラン シュ=シュル=ソーヌ市以南で造られています。シャルドネ種のブドウから白ワインも造られていますが、生産量は大変少なく、AOCボージョレー総生産高の 2%にすぎません。

生産条件に関しては、AOCボージョレーはアルコール度が10%以上、AOCボージョレー・シュペリュールは11%以上であることが条件です。生産されたワインの大部分は、ボージョレー・ヌーボーとして消費され、総生産高の4分の3は、ネゴシアンから販売されています。

 

Climat et Sols 気候と土壌 :

AOCボージョレー生産地域の土壌は、マンガンが混ざった花崗岩や結晶質鉱物で構成された北部の土壌と、粘土石灰質の堆積岩からなる南部の土壌の、2種類 に大別できます。畑は、斜面や、この地方を潤す数多の小川の流域にあります。10のクリュは、 薄くて水はけがよい北部の土壌にあり、南部では、AOCボージョレーとして販売されるワインの多くが生産されています。

ボージョレー地方の気候は温暖ですが、冬は寒く、夏は暑い、大陸性気候の影響も受けています。西からの風が、ボージョレーの丘陵によって遮られる他、畑は東南東向きの斜面にあるため、日当りが大変良いのが特徴です。

 

Types de vins 味わい :

AOCボージョレーは、破砕も除梗もせずに、ブドウを房のままタンクに入れ、表皮ごと細胞内醗酵をした後、アルコール発酵をおこなったワインです。爽やか で、果実味豊かな、喉越し軽やかな味わいが特徴です。ほんのり紫がかった、深みのあるルビー色で、スグリ、カシス、ラズベリーといった小粒の赤い果実を思 わせる香りがあります。新鮮な果実味を楽むべく、熟成させずにすぐ飲んでしまいましょう。AOCボージョレーは、毎日のお食事、ハム・サラミ類などとよく 合うワインです。

 

Beaujolais-villages A.O.C.

AOCボージョレー・ヴィラージュ

AOCボージョレー・ヴィラージュは、ボージョレーワイン総生産の凡そ4分の1を占め、ローヌ県の39ヵ村とソーヌ=エ=ロワール県の8ヵ村で生産されて います。 南はレーヌ村、北はドゥニシェ村まで畑があり、オドゥナ村、モンムラ村、ヴォールナール村、リヴォレ村、サン=ラジェ村も入ります。また、10あるク リュ・ボージョレーのうち、9つのクリュ生産区域でも生産することができます。

土壌は、片岩や花崗岩を多く含んだ、結晶質鉱物で構成され、ガメ種に大変適しており、このブドウの個性がワインにもよく反映しています。

AOCボージョレー・ヴィラージュは、アルコール度が10,5 %以上であることが、生産の条件です。また、ラベルに村名を記載することが認められていますが、実際にそうしているものは稀です。

Types de vins  味わい :

サクランボ色で、イチゴやカシスなど赤い果実を思わせる香りがあります。また、革やスパイス、ジビエ(野獣、野禽)を彷彿とさせる香りがするものもありま す。AOCボージョレーより造りがしっかりしており、果実味豊かで、喉越しがよく、快活で、キレのよいことが多いです。バランスのよい、まろやかな味わい で、早飲みタイプから熟成タイプまでバラエティに富んでいます。

AOCボージョレー・ヴィラージュは、腸詰めソーセージ、鶏のワイン煮込み、牛料理、リヨン産チーズ、子豚肉、ローストチキン、ポトフなどと相性が良いワインです。

 

Brouilly A.O.C.

AOCブルイイ

『愛のワイン』と呼ばれることもあるAOCブルイイは、クリュ・ボージョレーの中で、最も生産面積が広く、最南にあるクリュです。畑は、ブルイイ山を取り 囲むように、サン=ラジェ村、カンシエ村、セルシエ村、オドゥナ村、サン=テティエンヌ=ラ=ヴァランド村、シャランテ村の6ヵ村に広がっています。この 地では、14世紀から、丘の南側でブドウが栽培され、ワインが造られていましたが、17世紀までは全て地元で消費され、他所へ出荷されることはありません でした。

AOCブルイイ生産地区には、数種類の土壌があり、サン=テティエンヌ=ラ=ヴァランド村、カンシエ村、オドゥナ村の畑は、花崗岩が多い粘土砂土壌にあり ます。一方、サン=ラジェ村とセルシエ村の土壌は、表層は砂岩・珪石・石灰岩で、下層土は石灰泥灰質の下層土になっています。また、セルシエ村の南向き斜 面にある22ヘクタールの畑『ピッス ヴィエイユ』は、ブルイイ生産地区で唯一クリマとして認可されています。

 

Types de vins  味わい :

AOCブルイイは、よい性質を備えたワインです。柔らかく繊細で、ボディの締まった、頑健で力強いワインで、 快活で果実味豊かな味わいです。また、調和のとれた、口当たりのよいタンニンと、丸みがあり、ワイン香味もかなりあります。

鮮やかなルビー色で、ブルーベリーやブラックベリー、生のブドウ、キルシュ、チェリーを思わせる香りを持ち、ミネラルのニュアンスが感じられることもあります。

 焼き肉やハンバーグ、ハムやサラミ、山羊チーズなどと合わせてご賞味ください。

 

Chénas A.O.C.

AOCシェナス

シェナスという名前は、この地にかつて多く植生していた樫のフランス語名「シェーヌ」に由来します。生産地区に指定されているのは、シェナス村とシャペ ル=ド=ガンシェ村で、ローヌ県とソーヌ・エ・ロワール県の2県にかかっています。ジュリエナスとサン・タムールの北、ムーラン・ナ・ヴァンの南に位置す るシェナスは、ボージョレーのクリュの中で最も小さなクリュでもあります。大部分の畑はモーヴェーズ渓谷にあり、ミクロクリマの恩恵を受けているため、ブ ドウは比較的早熟です。地表は石が多く、全体的に痩せた土壌で、高い所にある畑は花崗岩質土壌で、標高が下がるにつれ、粘土珪酸質土壌に変わってきます。

AOCシェナスは、総生産高の凡そ半分は、生産者協同組合によって生産されています。

 

Types de vins  味わい : 

「ビロードの花瓶に生けられた花束」と形容されるワイン、AOCシェナス。深みのある赤い色合いで、牡丹やバラ、すみれなどの花を思わせる香りがあり、熟 成したものはスパイス香や樽香を帯びています。味わいとしては、柔らかで、厚みがあり、ふくよかで、アルコールがきいています。タンニンはエレガントで、 余韻が長く、年を経るにつれ、まろやかになります。ジュリエナスより花の香りがあり、ムーラン・ア・ヴァンにも似ていますが、もっとコクがあります。平均 5~8年間は熟成させることができるワインですが、同じシェナスでも、シャペル=ド=ガンシェ村で造られるものは更に柔らかな味わいです。ローストビーフ やビーフシチュー、鶉や鳩肉、チーズとのマリアージュを是非一度お試しください。

 

Chiroubles A.O.C.

AOCシルーブル

リヨンから北上するところ50キロにあるシルーブルの生産地区。フルーリーの西、モルゴンの北に位置し、ボージョレー地方で最も標高の高い (250~400メートル)ところにあります。畑は圏谷の中を段状に広がっており、畑周辺の丘陵が風から畑を守っています。気温差は他のクリュより大き く、畑は全て、砂状の花崗岩が砂状でできた、薄く痩せた、水はけのよい土壌です。

 

Types de vins  味わい :

AOCシルーブルは、軽やかで柔らかく、キレのある、爽やかな、果実味溢れるワインです。優美で繊細なワインで、バランスがよく、豊満な香りは表情豊かで、タンニンはあまり強くありません。フィネスを携えた、大変女性的なワインと言えるでしょう。

明るい鮮紅色で、すみれや牡丹、スズラン、アイリス、ラズベリー、スグリを思わせる香りがあります。そのさわやかな香味を楽しむべく、醸造後、なるべく早 めに召し上がることをお勧めします。「体を内部から撫でるような」優しい味わいのAOCシルーブルは、兎のテリーヌや焼き肉、ハムやソーセージ、サラミ、 鶏や子牛肉を使った料理、ラムの肩肉、シャロレー産チーズなどと、よく合います。

 

Côte de Brouilly A.O.C.

AOCコート・ド・ ブルイイ

コート・ド・ブルイイの畑は、ブルイイ山の険しい斜面にあり、サン=ラジェ村、カンシエ村、セルシエ村、オドゥナ村に跨がっています。この地では、既に 4~5世紀頃にはブドウ栽培がおこなわれ、クリュ・ボージョレーの中では、最初に認可されたAOCです。1857年に、この地にノートルダム・デュ・レザ ン礼拝堂が建立されたことから、聖母マリア様をこのクリュの守護神としています。コート・ド・ブルイイ生産地区は、「ブルイイの青い石」と呼ばれる、溶岩 の結晶質鉱物の石や、「緑の角」と呼ばれる、閃緑岩の片岩があり、大変独特な土壌を形成しています。

 

Types de vins  味わい :

AOCコート・ド・ブルイイは、鮮やかなルビー色で、ラズベリーやブルーベリー、生のブドウ、キルシュ、アイリスの花を思わせる香りや、バニラのブーケが あります。味わい深く、芳醇で、ワイン香味とコクがあり、厚みとハリがあって、ふくよかで骨太なワインです。余韻は長く、バランスがよく、タンニンは大変 エレガントです。通常、ブルイイよりも長期熟成に適しており、熟成を経ないものは、固く閉じた印象を受けるでしょう。構造がしっかりしているため、肉じゃ がや牛シチュー、鴨肉、チーズのタルトなどと、よく合います。

 

Fleurie A.O.C.

AOCフルーリー

AOCフルーリーは、シルーブル、モルゴン、ムーラン・ナ・ヴァンの3つの生産地区に囲まれた、フルーリー村で生産されています。畑は、東南あるいは北西 向きの傾斜地に広がっていて、勾配の険しい所にも、緩やかな所にもブドウが植えられています。フルーリー生産地区の多くは、結晶質鉱物を含んだ花崗岩質の 貧しい土壌ですが、村の東側には粘土を含有した土壌もあります。勾配のきつい丘側にある、黒い聖母が祭られたチャペルの麓周辺は、痩せ細った土地ですが、 街の下の方にある畑は、粘土を含んでいるため、やや粘りがあります。 原産地呼称全国機関(INAO)は、フルーリー生産地区内に、Les Côtes、Le Bon Cru、La Roilette、Les Moriers、Les Roches, Les Garants、Poncié、Montgenas、La Chapelle des Bois、La Madone、Grille Midi、Champagne、La Joie du Palaisの、計13のクリマを補随しています。

AOCフルーリーは、大部分が生産者協同組合によって醸造されています。

 

Types de vins  味わい :

ダークチェリー色を帯びたAOCフルーリーは、桃やカシス、アイリスやスミレ、バラを思わせる香りがあり、時にはスパイス香も感じられます。ふくよかでエ レガントな、滑らかで果実味豊かな、女性的なワインです。「ボージョレーの王様」ムーラン・ナ・ヴァンに対し、フルーリーは、「クリュの女王様」と呼ばれ ることがありますが、それはこのワインの女性的な優しさを意識してのことでしょう。高台で栽培されたワインは、より繊細で香りが高く、それに対し、低地の ワインは、骨太で、造りがしっかりしています。熟成も可能なワインで、腸詰めソーセージ、鴨のチェリー煮込み、羊のもも肉、鶏肉、子牛肉の料理などとよく 合います。

 

Juliénas A.O.C.

AOCジュリエナス

 AOCジュリエナスは、ボージョレー地方最北のクリュで、ブドウ畑はローヌ=アルプ地域圏であるローヌ県のジュリエナス村、ジュリエ村、エムランジュ村 と、ブルゴーニュ地域圏であるソーヌ=エ=ロワール県のプルズィリ村に広がっています。同生産地区の南側はシェナスに、南東側はサンタムールに接し、シャ ルドネが栽培されるマコネ地区と、ガメが育つボージョレー地方の中間にあります。畑は南西あるいは北西向きの斜面にあり、ブドウ樹は、北風や東から吹く風 から守られています。

AOCジュリエナス生産地区の土壌は、片岩や花崗岩を多く含む粘土質土壌です。西側はマンガンを含んだ花崗岩が多く、東側はもっと深い、粘土の含有率が高い土壌となっています。

 

Types de vins  味わい :

AOCジュリエナスは、深く濃い色合いで、牡丹やスミレ、スグリや森イチゴ、ラズベリー、カシスなどの赤い果実、野生の桃、シナモンを思わせる香りを帯びており、時として、スパイシーなものもあります。

例外はあるものの、ジュリエナスは、通常、豊満で、造りのしっかりした、濃厚で力強いワインで、醸造後2~5年内に飲むのがお勧めです。一般に、ジュリエ 村とエムランジュ村で造られたものは熟成期間が比較的短く、粘土の含有率の高い土壌で造られたワインは、熟れるのに時間を要するものが多いです。

AOCジュリエナスは、ローストビーフや牛やラムの煮込み、バーベキュー、鶏肉、鶏の赤ワイン煮とよく合います。

 

Morgon A.O.C.

AOCモルゴン

AOCモルゴンは、ヴィルフランシュ=シュル=ソーヌ市とマコン市からそれぞれ25キロ離れた、ヴィリエ=モルゴン村周辺で造られているクリュ・ボージョ レーです。ブルイイとともに、クリュ・ボージョレーの中で、最も広い生産面積を誇り、北側はシルーブルとフルーリーに、南西側はレニエに接しています。こ の生産地区内では、多数の小川が、西から東へと流れています。

AOCモルゴン生産地区の土壌は、脆くなった結晶質鉱物で構成された、粘土と砂の混ざった花崗岩質です。この地のテロワールは、マンガンと黄鉄鉱(バイラ イト)を豊富に含んでおり、これらのミネラルの影響で、モルゴンでは、熟成可能なワインが生産できます。ブルゴーニュの特徴を持った若いボージョレー産ワ インを、この地方では、愛着を込めて『モルゴンしたワイン』と呼ぶのはそのためです。

 

Types de vins  味わい :

ガーネット色に輝くAOCモルゴンは、サクランボや杏、桃、スモモなどの核果やキルシュ、甘酸っぱいキャンディ、イチゴやすぐり、カシス、ラズベリーを思わせる香りがあります。猛暑の年には、時折、よく熟した果実のアロマも感じられます。

一般に、豊満で、肉づきがよく、ふくよかで、がっちりした味わいのワインですが、中でもコート・ド・ピィ産のものは、特にその傾向が強く、モルゴンの特徴的な深みがよくでています。

ボージョレー地方のワインの中では、長期熟成のポテンシャルが最も高いワインの1つで、熟れるのに時間を要するワインが多いですが、その一方で早飲みタイプのワインを造っている生産者もあり、モルゴンを一言では語れません。

モルゴン生産地区には様々なクリマがあり、1985年には、Les Charmes(ボディのしっかりしたワイン)、Corcelettes、Côte du Py(長期熟成に適したフルボディのワイン)、Douby(もっとしなやかなワイン)、Les Grands Cras(まろやかで、香り高い、新鮮な果実味のあるワイン)、Les Micouds(その中間)の6つのクリマが、原産地呼称全国機関から認可されました。

AOCモルゴンは、焼き肉やモツ煮込み、ジビエ、鶏の赤ワイン煮、羊肉の煮込みやスペアリブのバーベキューとよく合うワインです。

Moulin à Vent A.O.C.

AOCムーラン・ナ・ヴァン

フランス語で「風車」を意味するムーラン・ナ・ヴァンは、その名称を、生産地域に現存する15世紀に建てられた風車から取っています。ジュリエナスやフ ルーリー、シェナに隣接したAOCムーラン・ナ・ヴァン生産地区の畑は、ローヌ県シェナ村と、ソーヌ=エ=ロワール県ロマンシュ・トラン村に広がっていま す。生産地区には、Grand Carquelin、Champ de la Cour、Les Thorins、La Roche 、Rochegrèsという5つのクロ(塀で囲まれた畑)があり、最初の4つは風車の近くで、最後のクロはフルーリーに近い高地にあります。畑は東向きの 緩やかな斜面に広がり、土壌は、酸化マンガンを豊富に含んだ、「ゴール」と呼ばれる崩れやすいバラ色の花崗岩で構成されています。この酸化マンガンが、ワ インに独特の風味を与え、このクリュの個性を形成しています。

 

Types de vins  味わい :   

AOCムーラン・ナ・ヴァンは、鮮やかなルビー色で、スミレやバラなどの花や、サクランボを思わせる香りがあります。熟成が進むにつれ、熟した赤い果実やスパイスのアロマが生まれ、時にはトリュフ、麝香、ジビエを思わせるニュアンスを帯びることもあります。

凝縮感のある、コクのある味わいで、力強く、骨太で、かなりタニックなワインです。ボージョレー地方のワインの中で、最も熟成に耐えうることから、「ボージョレーの優雅さとブルゴーニュの威光を携えたワイン」、と表現されることもあります。

AOCムーラン・ナ・ヴァンは、牛ステーキ、ローストビーフ、羊肉、ジビエ、チーズと相性の良いワインです。

 

Régnié A.O.C.

AOCレニエ 

クリュ・ボージョレーの中で一番西側にあるのが、AOCレニエ生産地区です。ヴィルフランシュ=シュル=ソーヌ市から25キロ北西にある、レニエ=デュ レット村とラティニエ村の2ヵ村が、生産地区に指定されています。 AOCレニエは、クリュ・ボージョレーの中で最も新しいクリュであり、クリュの認定を受ける前までは、最も優れたボージョレー・ヴィラージュの産地として 知られていました。畑は、アルディエール渓谷の緩やかな斜面に広がっており、その横に聳えるアヴナ山によって、厳しい北西風から守られています。畑は、ミ ネラルが豊富なバラ色の花崗岩で構成された、粘土を含んだ痩せた土壌です。

 

Types de vins  味わい : 

AOCレニエは、果実味豊かで喉越しのよい、魅力的なワインで、バランスがよく、きめの細かい繊細なタンニンがあります。色調はさくらんぼ色で、ラズベ リーやスグリ、カシス、ブラックベリー、ブルーベリーを思わせる香りがあり、熟した桃やスイカズラの花、スパイスを彷彿させることもあります。新鮮な果実 味を楽しむべく、長く熟成させずに飲みたいワインです。

AOCレニエは、牛や羊肉のグリル料理や焼き肉、スパイシーなハムやソーセージ、ジャガイモのクリームタルトやチーズとよく合います。

 

Saint-Amour A.O.C.

AOCサン・タムール

アムール=ベルヴュ村で造られるAOCサン・タムールは、ジュリエナスとともに、最北にあるクリュ・ボージョレー生産地区です。アムールという村名は、戦 いを逃れてガロワ(古代ローマ時代のフランス)に避難し、後にキリスト教の宣教師となった古代ローマ時代の兵士アモールに由来しています。ブルゴーニュ地 方マコネ地区のすぐ南側に位置し、シャルドネ種を原料とした白ワインのAOCボージョレーや、AOCサン=ヴェランも生産しています。

ベセ山の山腹に広がるブドウ畑は、花崗岩と石灰岩質の土壌に根を張っています。また、小石や砕けた岩片がごろごろする粘土珪酸質土壌のテロワールには、片岩や砂岩も混ざっています。

 

Types de vins  味わい :

AOCサン・タムールには、大きくわけて2種類のワインがあります。1つめは、長期熟成に適した、ややタニックで、力強く、がっちりとして、厚みがあり、 とろみを帯びた、調和のとれたワインです。このタイプのワインは、深みのある真紅や緋色の色合いを帯び、杏や桃、リンゴ、潰したイチゴ、ラズベリー、芍薬 を思わせる香りがあります。

2つめは、ふくよかで柔らかなライトボディの、エレガントなワインで、キルシュやスパイスを思わせる香りや、木犀草のニュアンスがあります。

前者は牛肉やラム肉と、後者は鶏肉や子牛肉と相性がよく、共に、ハムやサラミ、チーズともよく合います。

Types de vins  味わい :

AOCサン・タムールには、大きくわけて2種類のワインがあります。1つめは、長期熟成に適した、ややタニックで、力強く、がっちりとして、厚みがあり、 とろみを帯びた、調和のとれたワインです。このタイプのワインは、深みのある真紅や緋色の色合いを帯び、杏や桃、リンゴ、潰したイチゴ、ラズベリー、芍薬 を思わせる香りがあります。

2つめは、ふくよかで柔らかなライトボディの、エレガントなワインで、キルシュやスパイスを思わせる香りや、木犀草のニュアンスがあります。

前者は牛肉やラム肉と、後者は鶏肉や子牛肉と相性がよく、共に、ハムやサラミ、チーズともよく合います。

ボージョレー地方:

ガメの王国

 

フランス中部東に位置するボージョレー地方。「ボージョレー」という名称は、かつてこの地方の中心地だった小都市ボージューに由来しており、ワイン産地と しては、ブルゴーニュ地方マコンの南からリヨンの北までの地域を指しています。この地方では、赤ワインを主に生産していますが、ロゼワインも多少造られて いるほか、白ワインも、ボージョレー地方北部の限られた地域で醸造されています。ボージョレー地方では、ワインを理解する上で欠かせない三つの基本要素 「ブドウ品種」「テロワール」「クリマ」を反映した、個性豊かな芳香を持つワインが造られています。

 

ボージョレー地方の精華と言えば、同地方北部で造られる10のクリュ・ボージョレー(ブルイイ、シェナス、シルーブル、コート・ド・ブルイイ、フルー リー、ジュリエナス、モルゴン、ムーラン・ナ・ヴァン、レニエ、サン・タムール)が、挙げられます。(地図参照)また、同地方のジェネリックワインである AOCボージョレーには、AOCボージョレー・ヴィラージュとAOCボージョレー・シュペリュールが含まれており、これらのワインは主に南部で造られてい ます。

 

ボージョレー地&l